建築士が紹介する平屋の特徴!!
暮らし
日本では2階建てが主流ですが、最近平屋の人気が高まってまいりました。
おしゃれな外観や内装の平屋も増えてきましたが、平屋の長所はそれだけではありません。
建築士として日々設計業務に携わり、多くの住宅を見てきた経験から、平屋の特徴を紹介したいと思います。
平屋は2階建に比べ耐震性が高い
2階建ての場合、大きな地震があると1階が2階に押しつぶされる危険があります。
1階にLDKがあり、広い場合には支える柱が少ないため、より危険になります。
平屋の場合は2階がないため、上からの荷重が少なくなり、2階に比べ倒壊の危険がなくなります。
また、2階建ての場合多くが2階に寝室を設けています。
1階の様に潰される危険はありませんが、逃げ遅れる可能性が高くなります。
お年寄りや小さい子では階段で転倒する恐れもあります。
また、地震の際は、上部の重量が大きいものほど地震エネルギーの影響を受け、揺れが大きくなります。
2階の分だけ重くなった住宅はその分揺れが大きくなります。
揺れが大きくなれば、家具の転倒など危険が増します。
揺れによる倒壊を逃れたとしても、壁や柱が損傷する可能性が高いため、住宅が長持ちしなくなってしまいます。
生活空間の上に重いものが少なくいので、2階建てに比べ平屋は構造的に安定をしているのです。
家の外に容易に出れるのも、命の安全を高めることにつながります。
平屋は階段がないので空間を有効に使える
平屋には2階はないので、階段はありません。
階段がある場合、当然に階段用のスペースが必要となります。
一般的な住宅の階段は、ワンフロア当たり、1.5~2坪分の面積を占めます。
35坪程度ある一般的な住宅では、およそ10%程度も面積を占めることになるんです。
10%も使えない面積がるのはもったいないですよね。
スペースを有効活用するため階段下収納などがありますが、本来の収納より収納力が低くなってしまい、100%有効活用しているとは言えません。
階段の無い平屋では、このデッドスペースがなく、フロアを十分に活用することができるんです。
余裕のできた空間に収納スペースを設けたり、ご主人の書斎やランドリールームをつくるなんてこともできちゃいます。
平屋はお年寄りや子供が生活しやすい
2階建ての場合、1階にLDKや浴室などを設け、2階に寝室や子供部屋などのプライベートな空間をつくるケースが多いです。
洗濯物も2階のバルコニーで干すなんて方も少なくありません。
若い時は階段の上り下りも苦にはならないのですが、高齢になると辛くなってきます。
小さいお子様がいる場合も、目を離せなくなってしまいます。
平屋であれば、すべての部屋が同じフロアにあるため、小さなお子様やお年寄りでも安心して各部屋への移動ができます。
車いすでの移動も楽になるため、現在車いすを利用している方やケガなどで車いすを利用せざるを得なくなってしまった方にも生活がしやすくなります。
平屋は将来のリノベーションも対応しやすい
平屋は2階がなく、上からの荷重が少ないため、支える柱や壁を少なくするとこができ、比較的間取りを自由にすることができます。
大きな開口部をつくることも可能になり、子供の成長や家庭環境の変化などに合わせてリノベーションをする場合も、自分の理想どおりの間取りにすることもできるんです。
お家は何十年も生活をする場所です。
数十年後は子供も成長し、独立してしまっているかもしれません。
夫婦2人きりになって、お部屋の数を減らしたいと思ったときでも、平屋であれば柔軟に対応することが可能になるのです。
お部屋の数を最小限にして、広いLDKにするのも素敵だと思います。
まとめ
平屋は耐震性に優れ、バリアフリーと見た目のおしゃれ以外にも上記のように魅力的な特徴がたくさんあります。
もちろん2階建てが悪いという訳ではありません。
それぞれのライフスタイルに合わせたお家づくりをする中で、平屋も一つの選択肢として考えてみていただきたいと思います。